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ニョメン・オーガナイジング㉑未婚女性は入りづらい?~ニョメンの現在地/文・イラスト=張歩里

2026年03月04日 09:20 ニョメン・オーガナイジング

更新されるべき「典型像」

今や女性が働くことはごく当たり前になり、誰もが結婚や出産を経験するとは限らない時代になった。

我が分会にも、30代の未婚同胞女性としてニョメン活動を担う可愛い後輩たちがいる。仕事に全力で向き合いながら、映画や読書を楽しみ、さまざまな分野にアンテナを張るかのじょたちは実に魅力的で、私自身も多くの刺激を受けている。

一方で、朝青を卒業し青商会へと移行する女性が増えるなかで、「未婚女性はニョメンに入りづらい」という声も聞く。その背景には、結婚・子育て中の女性を中心に形成されてきた「典型的なニョメン像」があるのだろう。

しかし、果たしてそのモデルは、今の社会状況に合っているのだろうか。1990年と2020年を比べると、25〜29歳女性の未婚率は40%から65%へ、30〜34歳では14%から39%へと大きく上昇した。50歳時点で一度も結婚したことのない人は、男性で約4人に1人、女性で約7人に1人にのぼるという。かつては少数だった「一生結婚しない」という人生設計は、もはや特別なものではなくなりつつある。人生100年時代において、50歳時点での婚姻状況で「生涯未婚」と決めつけてしまうのは早計かもしれないが…

とはいえ、未婚者の多くは「いずれは結婚したい」と考えていることもデータは伝えている。18〜34歳の未婚者では、男女とも約9割が将来的な結婚を希望しており、この割合は過去30年間ほとんど変わっていないという。

一方で、「一生結婚するつもりはない」と答える人(男性では12%、女性では8%。2015年国勢調査)は少しずつ増えている。つまり、結婚願望が消えたわけではない。

では何が変わったのか。私たちはその変化を、組織のかたちや空気の中にきちんと反映できているだろうか。

揺らぐ結婚観と戸惑い

最大の要因の一つは、経済的不安だ。生活費、住居費、教育費の負担は重く、若年層にとって安定した基盤を築くこと自体が課題となっている。「結婚したい」と思っても、現実の壁に直面する状況がある。日本社会以上に、在日朝鮮人社会のほうがその影響を強く受けている側面もあるだろう。

さらに、女性の高学歴化により、それに見合う結婚相手の層が十分に存在しないという現実や、同胞社会における伝統的な性別役割分担意識も、選択に影響を与えているだろう。女性の稼得能力の向上は、かつてのように結婚を遠ざける一方通行の要因ではなくなったとはいえ、依然として結婚のタイミングや機会に複雑な影響を及ぼしている。かつてのように「生活すればどうにかなる」と言い切れない時代に、私たちはどんな言葉を若い世代にかけることができるのだろうか。

西日本ニョメン子育て支援部(子女部)の討議の場では、「そもそも結婚する同胞がいない。だから(入園・入学の)対象となる同胞の子どもがいない」という切実な声も共有された。

都市部では生活費の高さが壁となり、地方では人口減少が進み、セセデ同胞の結婚や定住が課題となっている。地域によって状況は異なるが、いずれも私たちの現実である。

結婚の有無に縛られない形

結婚しているかどうかで、活動の居場所が決まらないニョメンでありたい。

未婚であることは、仕事や学び、社会活動に主体的に関わる時間と可能性を豊かに持てるという強みでもある。未婚・既婚という枠を超え、多様な人生を歩む女性たちが共に集い、支え合える場へ更新するために、私たちはどんな仕組みを整え、どんな言葉を選び、どんな空気をつくるべきだろうか。

我が分会では、引っ越してきて間もない30代同胞の出会いのマダンを企画した。それは単なる異性との出会いの場ではない。シングルライフを選ぶ人も、そうでない人も、孤立せずにつながれる場である。それは、私たちが抱いてきた結婚や家庭への固定観念を見直し、家族単位にとどまらず、同胞社会全体で支え合う文化を育てていこうとする、小さな実践でもある。

結婚の有無ではなく、どんな思いで地域と向き合うのか。子どもがいるかどうかではなく、どんな未来を共につくろうとするのか――

私たちが問われているのは、結婚観そのものではなく、「誰を中心に据える社会なのか」という在り方ではないだろうか。

一定のモデルに当てはまる人だけが居心地のよい拠点なのか。それとも、それぞれの人生の段階や選択を包み込みながら、変化し続けられるコミュニティーなのか。

時代が変わるなら、私たちのモデルも変わってよい。ニョメンは、「結婚後」の場ではなく、それぞれの人生の「今」から始まる場でありたい。私たちはいま、その更新の入り口に立っているのではないだろうか。

(関東地方女性同盟員)

※オーガナイジングとは、仲間を集め、物語を語り、多くの人々が共に行動することで社会に変化を起こすこと。新時代の女性同盟の活動内容と方式を読者と共に模索します。