24年ぶり、覚悟の選択
2026年01月15日 07:00 取材ノート
四半世紀という歳月は、一つの世代が入れ替わる長さだ。今年11月末、静岡で金剛山歌劇団公演が24年ぶりに開催される。11日に行われた静岡同胞新春の集いでは、来る日への協力を呼びかける発言が相次いだ。
24年前、歌劇団公演を開催するにあたり、地域同胞たちは静岡初中を支え、民族教育を守るために一丸となって奔走した。商工人らの大口カンパに頼るのではなく、同胞宅を一軒一軒回り、チケットを手売りして客席を埋めた。そうした積み重ねが、民族教育と同胞社会に活気をもたらした。
同胞社会を取り巻く状況は当時より厳しい。内外の情勢悪化に加え、経済的余力の低下や人口の減少が重なっている。しかし、立ち止まっているわけにはいかない。今回も過去と同様、同胞社会全体の力を発揮し、民族性あふれる場を設けることで、地域の運動を着実に前へ進めようとしている。公演当日までの道のりには困難も予想されるが、「新たな起爆剤をもたらしたい」「どんなことがあっても必ず成し遂げなければならない」と、関係者たちの言葉には覚悟が滲む。
今年の新春の集いでは、金剛山歌劇団による小公演も行われた。団員の歌声が会場に特別な空気をもたらし、民謡に合わせ老若男女の踊りの輪が広がった。民族文化が人を呼び、心を動かす。その場に立ち会い、変革の兆しはすでに静かに芽吹いていると実感した。
(徳)