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〈学美の世界 75〉「日常」と「非日常」の視点/金順玉

2025年07月05日 07:30 寄稿

一年の中で学美の審査期間(1週間)ほど私にとって「非日常」的な期間はない。朝から晩まで何百枚の作品と向き合い、語り合い、考え考えまた考える。目がショボショボになり、頭が爆発しそうになる。そんな非日常の中で出会う作品だからこそ鮮明な記憶として残るのか。

作品① 「台所で働く母」。第50回展、東京第3初級・6年尹誠道

食事の支度をするお母さんを描いた作品だ。台所にある3つのコンロはまさにフル稼働。小さな鍋に焼き魚、それぞれ異なる大きさの火の様子が忙しなさをよく表現している。フライパンからもくもくと煙が上がり、単調な色合いで整えられた画面が夕食時を物語る。

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