民族教育の意義と原点を考える/留学同神奈川綜合文化公演 プルシ
2025年04月14日 15:37 文化留学同神奈川県本部が主催する「第2回留学同神奈川綜合文化公演-불씨-」が3月8日、神奈川県内にある男女共同参画センター横浜フォーラムで行われた。

「第2回留学同神奈川綜合文化公演-불씨-」が行われた。
「불씨(プルシ)」とは「火種」を意味する朝鮮語だ。
今年度は神奈川の地域において民族教育「躍進」の1年であった。神奈川中高のリノベーション事業、川崎初級の新校舎設立など。その歴史の原点―火種を、留学同神奈川は綜合文化公演という形で表現した。
当日は、演劇や川崎初級の歴史に焦点を当てた講演会、そして留学同神奈川の日々の活動をアピールするプレゼン、さらにはサムルノリやウリマル朗読があり、最後は大合唱で締められた。
演劇には10人の学生が出演し、主人公である朴舜虎(李俊輝、日本映画大学3年)が社会の偏見や差別の現実に直面しながらも、朝鮮学校に憧れる宋瑛奈(金彩琳、横浜薬科大学2年)を筆頭に仲間たちと共に民族教育の意義を問い、未来への道を模索する物語が綴られた。

劇は民族教育の意義を問い、未来への道を模索する物語が綴られた。
次に行われた講演会では、明治学院大学4年生である金滉基さん(明治学院大学4年)が「川崎地域における朝鮮学校閉鎖令と抵抗の歴史」をテーマに講演した。
講演会は1948年から49年にかけての朝鮮学校閉鎖令に際し何が問題とされたのか、そしてそれに対し在日朝鮮人がどのような闘争を繰り広げたのかを神奈川県内の新聞を手がかりに川崎地域の闘争史を明らかにした。
金滉基さんは講演で、「『日本人と変わらない処遇』が必要というよりは『在日朝鮮人の処遇を変えること』が肝要なのであり、とくに植民地支配の結果住まうことになった在日朝鮮人にとって必要な教育を保障すること」であると語った。
活動プレゼンは、辛悠奈さん(フェリス女学院大学2年)が留学同の概要説明から始まり、留学同神奈川大学支部・東海大学支部の両支部の日々の活動、過去最多人数の動員を達成したマダン(夏の在日コリアン学生キャンプ)の振り返りなど留学同神奈川のすべてを知れる内容で盛りだくさんであった。
この他にも、民族衣装をまといながら総勢9人によるサムルノリが行われた。

総勢9人によるサムルノリ
また、4年生の睦祥豪さんによるウリマル朗読「留学同での出会いと私の生き方」では、「留学同は朝鮮人である自分を肯定してくれる場所である」と語った。
最後は「우리 학교를 지키는 노래(朝鮮学校を守る歌)」を大合唱し、幕を閉じた。
留学同神奈川は2回目となる綜合文化公演を通して、在日朝鮮人学生だけでなく全同胞に民族教育の意義やその原点を、そして日々の活動を訴えることができた。
【留学同神奈川】