米核戦略手段の朝鮮半島展開を糾弾/金与正副部長が談話発表
2025年03月05日 08:00 対外・国際朝鮮中央通信によると、朝鮮労働党中央委員会の金与正副部長が3日、米核戦略手段の朝鮮半島への展開を糾弾する談話を発表した。
米国は昨年、年間を通じて史上最大規模の反朝鮮戦争演習を過去最多となる回数で行った。バイデン政権が退陣する直前の1月10日には、ワシントンで第4回米韓「核協議グループ」会議を開き、朝鮮半島での核戦争演習と米戦略資産展開の可視性増大を協議。それに対する実践として15日、朝鮮半島付近の上空にB1B戦略爆撃機を投入し、日本、韓国と3者連合空中訓練を強行した。
さらに、14~16日にかけては韓国軍と共に朝鮮の長射程砲兵火力システムを狙った連合大火力戦演習を、21~24日にかけては空中作戦協同能力を強めるという口実の下で連合空中訓練「サンメ」を実施。2月15日には、ドイツのミュンヘンで行われた国際安全保障会議を契機に、日韓の外交当局者と協議し、「米韓、米日同盟を通じた米国の核の傘の提供強化」を骨子とする「共同声明」を発表した。20日は再びB1B戦略爆撃機を朝鮮半島地域の上空に進入させ、韓国空軍と連合空中訓練も繰り広げた。
これにとどまらず、米国は3月2日、「韓米同盟の誇示」「相互運用性の強化」の名の下で原子力空母カール・ビンソン打撃群を釜山作戦基地に入港させた。今年に入り米核戦略手段の朝鮮半島への展開は、原潜アレクサンドリアに続いて今回が2回目。米海軍の空母は昨年6月のセオドア・ルーズベルト以来8カ月ぶりである。今後はカール・ビンソンの参加の下、今月中に米日韓海上訓練と「フリーダム・シールド」合同軍事演習が実施される予定だ。
金与正副部長は談話でこれらの事実に触れ、「朝鮮半島情勢激化の根源は、地域にNATOのインフラを移植し、戦争準備水準を向上させるための軍事的動きをさらに本格化している米国とその追随同盟国にある」と指摘。朝鮮は主権国家の安全憂慮を無視、侵害し、地域全般の平和的環境を危うくさせる米国とその追随勢力の妄動を強く糾弾するとした。
金与正副部長は、社会主義憲法に公式化された核武力政策は、「このような現存の脅威と将来的な脅威からの国家安全上の憂慮を正確に反映して採択されたものであり、今日の現実はわれわれの核戦力強化路線の当為性と正当性、必要性をいっそう浮き彫りにしている」と言及。「米国が引き続き軍事的力の示威行為で記録を更新していくなら、われわれも当然、戦略的抑止力の行使で記録を更新するしかない」と警告した。
そのうえで、「米戦略資産の朝鮮半島地域への展開が悪習化した行為として固まり、それによってわれわれの安全圏に否定的影響が及ぼされれば、われわれも敵国の安全圏に対する戦略的水準の威嚇的行動を増大させる選択案を慎重に検討する計画だ」と明かした。
(朝鮮新報)