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【投稿】ハッキョの魅力、歌と踊りにのせて~オリニフェスタを開催して/林優美

2024年07月11日 09:00 民族教育

「オリニフェスタ」は参加者たちの笑顔が絶えない時間となった

娘が通う東京朝鮮第9初級学校(以下、「第9」)は、とても素晴らしい学校だと自負している。

多少のケンカは起こることもあるが、子どもたちはみんなきょうだいのように仲が良く、またオモニたちも実に素敵な人ばかり。先生たちはいつも明るく、保護者と歩み寄って子どもたちを育てることに一生懸命だ。

しかし、悲しいことに第9の児童数は減る一方である。私は、第9の中身を知ってさえもらえれば、「この学校に子どもを送りたい!」と思うに違いない、ウリハッキョをもっと知ってもらえたらと思うようになり、そのきっかけをずっと模索し続けていた。

ここ数年間、学校と関わりながら未就学児を対象としたイベントを企画してきた女性同盟東京・中杉支部の子育て支援部では昨年、学校単独で行ってきた「オリニフェスタ」という行事を子育て支援部と一緒に作り上げたいという学校からの相談を受け、二つ返事で引き受けた。私自身、「オリニフェスタ」を通して、学校の素晴らしさをアピールでき、保護者の目線で新しい可能性を生み出せるのではないかと考えた。

準備作業中のオモニたち

昨年は「本」をテーマに、まるで本の中に入っていくような「オリニフェスタ」にしようと、先生たちや子育て支援部のメンバーたちと何度も協議した。そうして学校・子育て支援部共催の第1回目のオリニフェスタは成功を収めた。

そして今年もオリニフェスタの時期がやってきた。

今年のテーマは、もっと第9らしく、第9の魅力がさらに「活きた」フェスタにしたいという目標が生まれた。ちょうど同時期、学校では運動会とその後の「保護者・同胞焼肉モイム」が盛大に催されたのだった。運動会を終えた保護者、児童、同胞たちは、チャンゴやケンガリを叩き、歌い踊りながらその場を大いに楽しんでいた。この光景こそが、今の第9らしい姿だと実感した。そうして考えたオリニフェスタのタイトルが「勇気トントン、ようこそトントンコンサートへ!」というタイトルだ(※トン先生というオリニモイムのキャラクターをもじっている。ポスター図参照)。

今年のタイトルは「勇気トントン、ようこそトントンコンサートへ!」

トントンというリズムに乗って、楽しく歌って踊る第9の人々の姿を表現し、来場者たちに活き活きとした学校の姿、そして今の第9の居心地の良さを体感してほしかった。

当日の舞台は、童謡や流行歌などのいろんな音楽に、チャンゴやケンガリのリズムを乗せながら民族性を演出したり、演者も参加者もみんなが楽しめるものを考えた。先生たちはキャラクターに扮し、オモニたちや朝青トンムたちも舞台に立ち、一丸となって作り上げる舞台は、きっと見る人の心を強く感動させるであろうと思った。

そして練習が始まった。すると準備過程を紹介するSNSなどを通じて、「『トントンコンサート』へ行ってみたい」「楽しそう」「この人が舞台に立つなら見てみたい!」との声が集まった。想定を上回る参加希望者数に、主催側も驚きを隠せなかった。

そして迎えたオリニフェスタ当日。第9の児童や他の出演者たちも練習成果を余すことなく、今まで以上の力を発揮し、舞台は大成功だった。また先生たちが、参加者が飽きないようにと、色々と工夫し気を配ってくれたおかげで、みんなの笑顔が絶えない時間になった。

「オリニフェスタ」は参加者たちの笑顔が絶えない時間となった

フェスタ当日の光景を見ながら、これこそが、学校のために行ってきた地道な活動で蒔いた種が芽吹いた瞬間だと強く感じたのであった。そして私にとっては、第9がさらに誇らしく思える日となった。

私は、第9の保護者となり6年目を迎える。そして今年はオモニ会会長という重役、重くもやり甲斐のある仕事を任されている。

これからも学校を守っていくという固い気持ちをオモニたちと築きながら、「この学校に子どもを送りたい!」、保護者世代の同胞たちがそう思えるような、地道な種まきをしていこうと思う。

(24年度オモニ会会長)

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