関東大震災朝鮮人虐殺と関連して/追悼事業実行委が今年初の協議
2024年07月02日 15:30 歴史引き続き日本政府に責任追及
昨年は、多くの朝鮮人が日本の国家と民衆によって殺害された関東大震災(1923年9月1日)から100年になる年だった。各地では、100年前の史実に真正面から向き合おうと追悼・学術行事などが数多く催された。一方、日本政府や東京都は今もなお、歴史否定の立場をとっている。
昨年に朝鮮人強制連行真相調査団やフォーラム平和・人権・環境など朝・日の各団体で結成された「関東大震災朝鮮人虐殺100年―虐殺犠牲者の追悼と責任追及の行動」実行委員会は6月27日、都内で会議を開き、関東大震災朝鮮人虐殺から101年目となる今年も、日本政府に対し責任追及を行うことなどを含む今年の活動について協議した。
会議では、はじめに、「植民地主義が招来する差別の払拭」など3つの活動軸に沿って進めてきた昨年の活動を確認した。その後、実行委員会の名称を、「関東大震災朝鮮人虐殺犠牲者の追悼と責任追及の行動」実行委員会と改称することへの提案があり、全会一致で承認された。
つづいて今年も例年通り、9月1日午後から東京の横網町公園で追悼行事(総聯東京都本部、東京朝鮮人強制連行真相調査団が主催)を執り行うこと、また8月30日には都内で集会を催すことを確認した。
朝鮮人強制連行真相調査団の金哲秀事務局次長は「昨年1年間を通じて日本政府に対する責任追及の運動を進めてきたが、その間に虐殺の本質的な問題に到達したのか。個人的には疑問に思っている」と述べる。
そのうえで「今一度確認したいのは、日本が朝鮮の植民地化を進める中で虐殺が行われたということだ。また日本政府は、日弁連が勧告書を出したが、それも無視し続けている」として、101年にあたり、日本政府に対する本質的な責任追及の必要性を訴えた。
実行委員の金性済牧師は「これまでの100年間に何をしてきたのかを、101年目の今年に整理する必要がある」と語る。
同氏は、4月9日の参議院内閣委において、石垣のり子参院議員が、「倉賀野事件」の判決を示したうえで、司法が虐殺を史実と認定したことをどう受け止めるのかと質問したことに言及した。同判決では、高崎市内で駐在所に保護されていた朝鮮人男性を連れ出し暴行・殺害したとして、自警団を組織した被告ら4人に有罪が宣告されている。
金性済牧師は、石垣議員の質問に対し、政府担当者が「裁判所の事実認定が正しいかどうか評価する立場にはない」とはねのける答弁をしたことについて、「これが政府の立場であり、逆にいえば国家責任を追及してきた運動がつきあたった状況ともいえる」と指摘。「関東大震災当時の勅令としての戒厳令を批判できない日本の政治文化、政治の仕組みがある。ここをどう突破していくのかが重要だ」と、徹底的に史実を追い、声をあげ続けるべきだと強調した。
「昨年は100年の節目ということもあり、若い世代が朝鮮人虐殺について意識を呼び起こされる機会が多かったと思う」。
留学同中央国際部長の宋知樺さんはそう語りながら、昨年行った朝・日大学生たちによるデモに続き、今年も8月27日にデモ行進を予定していると述べた。
「虐殺がおきてから101年目になる今年も、またその先も、日本の国家が歪曲している歴史を正しくなおすまで、運動をやり続け、問い続けなくてはならない」(宋さん)。
次回の実行委員会は、7月31日に行われる予定だ。
(韓賢珠)