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〈人・サラム・HUMAN〉北海道・役所前デモを発起/黒田敏彦さん(69)

2024年06月05日 15:03 人・サラム・HUMAN

自覚した“内面化された差別”

4年前、独自に始めた札幌市清田区役所前でのデモが先月200回目を迎えた。1978年から教職につき、30年以上を道内各地の中学校で教えた。96年には自身初の海外訪問として朝鮮を訪問。植民地支配の清算をしていない状況、朝鮮と関連しておかしく言うような日本社会の風潮に疑問を持ち「直接見てみたい」と思ったことがきっかけだ。

97年2月、北海道初中高を拠点に始まった「日朝友好促進交換授業会」(日本人教員らが北海道初中高の児童・生徒らを対象に行う授業)では、黒田さんを含む訪朝メンバー2人が、第1回目の授業を担当。以降続いた「授業会」を通じて見えてきた課題を前に、授業にとどまらない組織の必要性を感じた。そうして04年には故・鈴木芳雄さんらと共に「北海道朝鮮学校を支える会」を設立した。

朝鮮学校支援の原点は、自身が日本の差別文化の中に埋もれていたことを自覚した経験にある。

「『朝鮮』という言葉そのものが差別語ではないかとの感覚があった」黒田さんは、当時の校長から「朝鮮と堂々と言ってください。私たちはそれを誇りに思っていますから」と言われ「ハッとした」という。

黒田さんは、今後も役所前デモを通じて「知らなくてはならない現状を日本人に知らせていく」と決意する。

(賢)

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