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三重同胞奮闘記⑥「みんなで楽しむ運動会」が定着/金琴純

2024年06月06日 12:14 暮らし・活動

24年度四日市初中の生徒数は、中級部4人、初級部高学年3人、低学年5人、そして幼稚班3人。5月26日の運動会を盛り上げたのは、私たち同胞や日本の方々だ。他県では、運動会を午前で繰り上げて焼肉をする学校もあるそうだが、同校の運動会のスタイルは変わらない。

四日市初中運動会のようす

生徒数の減少とともに一般の参加競技を増やすなどして午前と午後めいいっぱい競技がある。売店には、名物のオモニ会特製「タレまみれ熱々すじ焼き」が並び、朝青員と卒業生たちが道具係を担う。テントの中にいるはずの保護者は休む間もなく競技に出て、ビデオ撮影どころではない。生徒と教員が少ない分、いろんな人たちが進行に携わる同校の運動会は三重同胞社会の縮図のようだ。

日朝友好三重県民会議の船橋誠一会長は同校で初めて「人物探し」競技を経験。生徒が、自分の名前が書かれたカードを持って探しに来るのを楽しみにしているという。同席した津市の教育長に「船橋さんの言う通り、子どもたちの目がキラキラしている」と言われて嬉しそう。ちなみに、アルコールOKなのも初めて来たときは驚いたと笑う。

四日市初中運動会のようす

今年は一般席のテントにひときわ賑やかな集団がいた。1月に結成した「長寿会」の面々である。いつものメンバーに加え、新入生の孫を応援しに来た同胞は何十年ぶりかの来校になるそうで、「すじ焼き」を久しぶりに食べて懐かしがっていた。

新しい運動会の定義「子どもから大人までみんなで楽しむ運動会」は、近年定着してきた。

四日市初中運動会のようす

紅青リレーを走るのは選抜選手ではなく全校生になり、少人数の農楽は一人ひとりが主役になり、紅組が勝つか青組が勝つか泣いて笑って、閉会後には自然とみんなで片付けが始まる。この日集まったハッキョを守る人たちがいる限り、「イオガジャ(繋いでいこう)三重!」の火は消えない。

 

(「ウリ民族フォーラム2023in三重」と準備過程で活気を取り戻した三重同胞社会。フォーラム後も有志たちの奮闘は続いている。同フォーラム記録係を務めた金琴純さんがかれらの活動をレポートする。不定期掲載)

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