わが子の卒業式/玄明淑
2024年03月01日 08:14 それぞれの四季3月は卒業式シーズンだ。中高の教壇に立つ私は、思春期を抜け出し心身共に成長した卒業生をたくさん見送ってきたが、今日はわが子の卒業式の思い出を記したい。
3人の子は全員朝鮮大学校にて学び、昨年ついに末の子が卒業を迎えた。コロナ禍で自宅でのリモート授業ばかりだった2年生の日々。入学当初から掛け持ちしているアルバイトもできなくなって、極めつけは困窮する学生に支給された学生支援緊急給付金制度からも除外された。日本政府の一連の朝鮮学校排除の延長線上にある差別政策の実態を目の当たりにした。かつてない世界的パンデミックの中でも救済対策から外され、元々余裕のないぎりぎりの生活環境での個人(家庭)の「学びの継続」が危ぶまれた。まさに人権の線引きであると痛感した。