公式アカウント

環境に劣らない力

2024年02月28日 09:00 取材ノート

1月20、21日にかけて、朝鮮学校教員たちによる教育研究集会が東西で開催された。東日本集会の2日目、会場では「学生支援」をテーマに教員たちが討論を行う光景が広がった。筆者も取材の過程で、討論の輪に加わり、教員たちの思いに触れる機会に恵まれた。

さまざまな特徴、困難を持つ児童・生徒たち、またその保護者たちに対しどのようにアプローチすべきか、クラス全体へのカミングアウトはどのように行うのか、人員不足の中で外部の専門家やサポーターとの連携は急務だ、など…。待ったなしの現場に、教員たちの苦悩がうかがえた一方、豊かなコミュニティを目指すうえで、たくさんの重要な視点が散らばっていたように思う。例えば、ある教員は、専門家導入の必要性に賛同しながらも、ウリハッキョの特性を活かしたシステムづくりがより大事だとして、その実例を語った。

「スクールカウンセラーやサポーターの配置など、日本の学校で子どもたちを取り巻く環境が『充実』していても、さまざまな理由からウリハッキョへ転校してくる場合がある。教室では子どもたちがごく自然に交わっていて、大人たちの憂慮や心配が取越し苦労だったこともある。ウリハッキョには数々の困難を吹き飛ばせるぐらいの潜在力がある」

数々の実践が蓄積された教員たちの言葉に、民族教育の確かな価値をみた気がした。

(賢)

Facebook にシェア
LINEで送る