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【新連載】「育つ力~いまを支える人々が語る民族教育~」

2024年01月19日 08:30 民族教育

苦境の奥にある「今日」の姿

連載初回で紹介するのは大阪中高オモニ会。同校オモニ会では、府内すべてと和歌山や奈良といった地域まで直接足を運び、学校支援プロジェクトへの賛同を呼びかけ、物販を行った。(提供写真)

日本に住む在日朝鮮人は、今や4世、5世の時代に突入した。異国の地で育つ同胞の子どもたちが、自身のルーツである朝鮮民族の心、言葉、文化、歴史などを学ぶ一方、祖国とのつながりを感じることのできる唯一の空間といっても過言ではない民族教育の場。それを実施する朝鮮学校では、創立80周年を数年後に控える対象が少なくない。

そうした中、止まらない少子化と地方社会の過疎化、何よりも公的助成から除外する日本の政策とそれに「正当性」をあたえる社会の中で、学校の財政状況はひっ迫し、児童・生徒数は減少している。

昨年6月の在留外国人統計(出入国在留管理庁)によると、朝鮮・韓国籍者の総計は43万6,570人(朝鮮:2万4,822人/韓国;41万1,748人)で、10年前の総計(52万6,578人)から9万人減を記録。国籍上であっても朝鮮半島ルーツを維持し日本で生きていくことが容易ではないことを示唆するデータだ。

一方で、そんな「苦境」の細部に目を凝らせば、組織や学校関係者のみならず、さまざまな団体、保護者までもが一丸となって民族教育を支える実践にいそしんでいる現実があり、そこには、たくさんの笑顔や紛れもない希望がある。

新連載「育つ力~いまを支える人々が語る民族教育~」では、朝鮮学校の今を取りまく各地の実践的な取り組みと、その取り組みに情熱を注ぐ人々の声を紹介することで、民族教育のもとで育まれるさまざまな力に迫る。

(韓賢珠)

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