〈人・サラム・HUMAN〉平壌経済技術大学学生／ソン・チョルミンさん（32）

レスリング選手からシルム王者に

平壌経済技術大学学生／ソン・チョルミンさん（32）

朝鮮では秋夕に際して毎年「大黄牛賞全国民族シルム(朝鮮相撲)競技」（以下、「大黄牛賞」）が行われる。各道から選抜された力自慢たちが集うこの大会では、優勝者に約1トンの大黄牛が贈られる。18回目を迎えた昨年大会の頂点に立ったのは、平壌市のソン・チョルミンさん（平壌経済技術大学）だった。

　ソンさんは元々4・25体育団でレスリングに打ち込んでいたが、同競技での選手生活を終えた後にシルムを学び始めた。レスリングで培ったフィジカルの強さと持ち前の身体能力を生かし、平壌市チームの一員として出場した2017年、18年の全国道対抗群衆スポーツ大会で団体戦2位入賞に貢献。18年の第15回「大黄牛賞」は初出場ながら2位に食い込み、翌年の第16回大会で初優勝を飾った。

　大学生として勉学に励みながら、ハードな練習に打ち込むことは簡単ではない。しかし、王者としてのプライドを胸にしまいながら猛練習を重ねた。その結果、昨年大会では100キロを超える体躯から繰り出す多彩な技で、各地の選手を次々と撃破。決勝で前回大会の覇者（江原道）を破り、19年以来2度目の栄冠に輝いた。

　歓喜の表彰台に立ったソンさんは、「平壌市民の期待に応えられて喜びと感動で胸がいっぱいだ。来年も必ず勝ち、3回目の優勝カップを掲げたい」と力を込めた。

【平壌支局】