〈人・サラム・HUMAN〉大阪中高連合同窓会会長/趙太植さん(60)
2023年10月18日 08:00 人・サラム・HUMAN“大事さは言うまでもない”
「同級生や先輩、後輩、オルシンたちまで…朝高に駆けつけたたくさんの同胞たちの姿をみて、純粋に力をもらった。今日のこの光景を原動力に、より頑張っていかないと」。
今年5月に行われた大阪中高創立70周年記念式典の日、文化会館いっぱいに埋め尽くされた参加者たちを見ながらそう語ったのは、連合同窓会会長の趙太植さん(28期卒業生)。還暦を迎える今年、同窓会会長という重責を前にして、「母校への恩返しがしたい」と決意を固めた。
学校創立70周年記念事業の主要テーマに掲げられた同窓会事業を軌道に乗せようと、各期の要となる卒業生たちと接触し会の立て直しを図った。今年1月には総会を機に会長に就任した。「同窓会はこれまで記念事業がある度に稼働していたが、事業が落ち着くと稼働しなくなるという課題があった」。そうした点を踏まえ、幅広い世代が共に動くことに活動方針を見出したという。結果、記念式典に向けた準備期間、「30代、40代の役員たちが、LINEを活用した宣伝方法など斬新な意見を次々と出してくれた。次世代の発想が、さらに下の世代を取り込んでいけるのではないかと希望を感じる瞬間だった」。
近年、在日同胞社会でも、日本社会同様に少子高齢化の波が押し寄せている。大阪における民族教育も、学校再編など課題は尽きないが「弱音ばかり言っていられない」と趙さん。
「困難を前にしても、朝高卒業生として、自分たちにはやるべきことがある。民族教育は守っていくべきもの。ウリハッキョは言うまでもなく、かけがえのない存在だから」。
(賢)