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【連載】光るやいのちの芽~ハンセン病文学と朝鮮人~⑩

2023年08月09日 09:00 歴史

回復者たちは、国の謝罪と補償なしに解決はないと1998年に国賠訴訟を起こした。(写真は会見に臨む(左から)谺雄二、国本衛さん。提供:茂木亮(モグネット))

【連載】「光るやいのちの芽~ハンセン病文学と朝鮮人~」では、創作を通じ希望や連帯を希求し、抵抗としての文学活動を展開した朝鮮人元患者らの詩を復刊した詩集「いのちの芽」から紹介していく。(書き手の名前は詩集に掲載された日本名表示のママ)

奥二郎 1930年、神奈川県生まれ。40年に多磨全生園に入園。「灯泥」同人。

傾斜

星が一つ

赤銅色に光りながら

水のない

沼の中に落ちていった

 

鳥は塒(ねぐら)からおち

獣らは黒い息をはき

草は枯れ

大地もしずかに

黒い息をふいている

 

私は人につまづき

地につまづく。

 

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