〈学美の世界54〉続、東京中高・鄭大悟 作品表現の旅(下)
2023年06月27日 13:00 民族教育東京中高・鄭大悟さんは高3の時期に学生美術展と自ら応募したGEISAI♯21(2022年8月21日、東京ビックサイト)のための制作作業にとりかかる。この過程で鄭さんは、自身の作品である「拾混合力士像」から得た構想を実現させる。
「拾混合神立像『解脱』」と銘打ったこの作品は、2つの像が融合する形で作られた。膝を着きうずくまり手を広げる像と、正面を見る立像。2つの像は祠(ほこら)の中に展示された。
うずくまる像は何かを懺悔しているようにも見えるし、打ちひしがれているようにも見える。何も持たず表に開いた手は何かを語る。それに対して立像は背を伸ばし、堂々と前を向いている。連続した動きを表現したようにも見えるし、祈ることと立ち上がることを一体に宿した姿にも見える。
この「拾混合」作品たちは秋に自ら企画した個展で存在感を発揮することになる。