旧校舎最後の「大衆行事」
2023年06月23日 08:30 取材ノート新校舎建設に向けた事業が本格的に始まっている川崎初級では、4月23日に旧校舎最後の対外イベントとして「KAWASAKI大感謝祭2023」が開催された。そんな中、校舎の解体を目前に控えた6月初旬には最後の「大衆行事」が行われた。しかし、この行事には主催者がいなかったという。新校舎建設委員会のあるメンバーが教えてくれた。
建設委員によると、この日は移転作業で多忙な日々を過ごしていた教員や、会議のために学校を訪れた建設委のメンバーらが小規模な焼肉を行う予定だった。しかし、どこから情報が漏れたのか、「旧校舎で行う解体前最後の焼肉」という噂が拡散。当日には同校の児童や教員、保護者、卒業生、地域同胞ら約180人が集まった。参加者たちは屋外ではなく教室の中で七輪を囲み、教室の壁に感謝の言葉など思い思いのメッセージを書き込んでいたという。
「旧校舎を見送ろうと、これほど多くの同胞たちが自発的に集まるなんて想像もできなかった」。当日のことを思い返しながら、前述の建設委員はしみじみと語った。
名残惜しさを感じていた参加者たちは、23時過ぎにようやく旧校舎を後にしたそうだ。同胞たちの背中を見送った川崎初級の旧校舎は、長年にわたり親しんだ焼肉の匂い、同胞たちのあふれんばかりの学校愛で満たされ、この上なく幸せだったことだろう。
(徳)