〈朝大専門家の深読み経済3〉金融政策と金融化/卞栄成
2023年06月16日 16:51 寄稿2005年に発足した在日本朝鮮社会科学者協会(社協)朝鮮大学校支部・経済経営研究部会は、十数年にわたって定期的に研究会を開いています。本欄では、研究会メンバーが報告した内容を中心に、日本経済や世界経済をめぐる諸問題について月1回解説します。今回は、金融論を専攻する朝鮮大学校経営学部副学部長の卞栄成教授が、日本経済の現状について(全3回)の最終回、日本銀行(以下、日銀と表記)の金融政策と金融化について分析します。
今回のテーマである日銀の金融政策と金融化問題を論じるにあたって、まず確認しておきたいことは、金融政策は決して万能ではないという事実である。金融政策は、民間銀行の資金調達を一時的に回復させる効果はあるが、収益力の回復とは別問題であることに留意する必要がある。
金融政策について考える際に、水道の蛇口に例えて考えるとわかりやすい。