「再会」に奮い立つ
2023年04月26日 09:00 取材ノート 論説・コラム本紙では、4.24教育闘争から75年を迎え特集を組んだ。
今回紙面には一部しか掲載できなかったが、記者たちは「ドキュメント・4.24報道の足跡」の掲載にあたり、1948年以降の関連記事を可能な限り調べた。
5〜6人の警官たちから袋叩きにされ全身打撲の重傷を負ったもの、不当に逮捕・検挙されたもの…当時日本各地で展開された闘争の生々しい光景、そして同胞たちの熱い「ドキュメント」が、歴代の解放新聞、朝鮮民報、朝鮮新報に記録されていた。
集まった記事をまとめようと資料を確認していた時のこと、思いもしない「再会」をした。闘いから60年に際し掲載された体験者へのインタビュー「あの日・あの時・あの場所(朝鮮語版)」、そこに亡くなった母方の祖父の姿があったのだ。
12歳の頃に日本に渡ってきた祖父は、14歳で祖国の解放を迎えた一世だった。故郷で通えなかった学校に通う喜びを胸に、大阪・舎利寺朝鮮小学校、八尾朝鮮中学校に通い、17歳で4.24を体験していた。病院で過ごした晩年、眠りについたかと思えば度々「ムルロガラ(退け)」と寝言を言っていた祖父。記事は、そんな祖父の姿を思い起こさせ、筆者が知らないかれの生い立ちもまた教えてくれた。
「教育の現場にいるイルクンたちが、揺るがぬ信念を持ち最後まで学校を守り抜くだろう」。次世代に寄せる祖父の、期待と信頼の言葉で締めくくられた記事が、忙殺されそうな今日も筆者を奮い立たせてくれる。
(賢)