公式アカウント

尊重すべき「隣人」は

2023年03月24日 10:00 取材ノート 論説・コラム

まったく異なる2つの授賞式が、示唆に富んだ教訓を残してくれた。

まずはじめに挙げるのは、16日に取材したNGO大賞の授賞式。国際協力分野の功労者に送られる同賞は、朝鮮と日本など東アジア諸国の市民交流に長年取り組む「KOREAこどもキャンペーン」の筒井由紀子事務局長に授与された(詳細記事はこちらから)。授賞式後の記念トークが印象深かった。タイトルは「遠くて近い隣人と心をつないで」。東アジアの「隣人」らと地道に信頼関係を築いてきた同氏の功績には、国内外から祝福が届いた。

一方、つい先日、授賞式と関連した滑稽なニュースが飛び込んできた。受賞者ではないのにアカデミー賞授賞式への出演を試み、却下されるという内容だ。喜劇の主人公は、ウクライナのゼレンスキー大統領。同氏は対ロ対決への支援を募るため、欧米諸国でさまざまなセレモニーに参加し、演説を行ってきた。が、今回はアカデミー賞授賞式への出演申請が断られた。この決定は、バイデン政権のウクライナ支援に反対する米国世論を反映したもの。

米欧にすり寄る同大統領は、自国の親ロシア勢力を迫害し、NATOの東方拡大にも事実上加担してきた。しかしその政策は、多極化へと向かう世界で多くの人々に見限られている。これが、かつての兄弟国に背を向けた者の末路だ。

われわれは、世界各地での平和プロセスを進めていくうえで、尊重すべき「隣人」を改めて考える必要がある。

(徳)

Facebook にシェア
LINEで送る