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世界の周縁から

2023年02月09日 12:00 取材ノート 論説・コラム

ここ半年で2度、海外のチュチェ思想研究家に話を伺う機会に恵まれた。今年1月には、インドから訪日したアジア・チュチェ思想研究所理事長を取材。昨秋に訪れたアフリカでは、同地域におけるチュチェ思想研究の重鎮に会った。とりわけ印象深かったのは、後者だ。

長年、大学で社会学を教えるアフリカ研究者によると、アフリカ諸国は表面的には独立を成し遂げたが、いまだに米国と西側諸国による新植民地主義支配下に置かれている。米欧の海外援助や投資に依存するあまり経済的自立を果たせず、結果的に米欧への従属を余儀なくされているという。実際に現地では、世界経済の周縁に追いやられた民衆の憂いを度々耳にした。

しかしながら米国の覇権秩序が衰退の一途を辿るにつれ、アフリカ諸国は次々に米欧に背を向け、中国やロシアとの結びつきを強めている。筆者自身、アフリカにおける中ロの存在感の高まりをさまざまなシーンで垣間見た。「搾取」を目的とする米欧の経済政策とは「性格が異なる」として、一部では中ロの援助・投資を歓迎する声もあった。

前述の研究者は、国際秩序が多極化へと転換する中、アフリカで真の自主権を勝ち取る運動をより広範に繰り広げなければならないと話す。そこで強調していたのが、構造的な低開発性の根源を人々が理解し、そこから抜け出すために、政治意識の発展、進歩的思想の普及が不可欠という点だ。

(徳)

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