海底に沈む被害者たちの怨恨/「浮島丸」爆沈事件、遺族の声
2022年12月21日 10:10 歴史19日、「浮島丸」爆沈事件の真相究明と追悼行事などを行ってきた東京、京都、青森の市民団体は、犠牲者の遺骨返還を求めるため厚労省への要請活動を行ない、遺族の思いをより多くの人々に知らせようと記者会見を開いた。記者会見の場には南朝鮮の遺族たちがオンラインで参加した。遺族のひとり、金栄彩さん(77)の発言を紹介する。
私の父の名前は金弘泰、日帝時代の創氏名は金本弘泰でした。
私はまず、京都の舞鶴市民たちに遺族の一人として深い感謝を申し上げます。皆さんがこれまで尽力されてきた活動への感謝の気持ちは、一生忘れることはないでしょう。
1944年5月24日に日本へ強制動員された私の父は、青森県大湊の海軍施設で労働を強いられ、1945年8月24日、帰国のために乗り込んだ「浮島丸」が京都の舞鶴港で沈没したことで、この世を去りました。
私の父が「浮島丸」事件で無念にも亡くなった事実は、日本政府が公式認定した犠牲者名簿からも確認できています。一方で、日本政府が認めた死亡者524人という数を真実だと信じる人はいないでしょう。この事件に少しでも関心を持つ人であれば、日本政府の見解がどれほど馬鹿げた主張であるか、よくわかるはずです。
日本政府は事件から77年が経った今日まで、自ら認めた死亡者たちの遺骨さえ遺族の元に返還していません。もちろん、謝罪も行なっていません。どれほど多くの被害者たちがいたのか、調査も行なっていません。まだ海底に沈んでいるかもしれない数多くの被害者たちの怨恨が恐ろしくないのでしょうか。
私は「浮島丸」事件の一部被害者たちの遺骨が祀られている東京の祐天寺を訪れたことがあります。しかし、当時も父の遺骨を直接確認できませんでした。日本政府は最低でも、自らが認めた遺骨がどこに、どのような状態であるのか、遺族たちに知らせる義務があるのではないでしょうか。
日本政府に強く呼びかけます。
一日でも早く、被害者たちの遺骨を遺族のもとに送り届けてください。頼むから、真相を究明してください。遺族が人間としての道理を果たせるよう、助けてください。
遺骨奉還のために力を尽くしてくれている韓国と日本の市民たちに、重ねて感謝を申し上げます。
(朝鮮新報)