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「隠された支配構造」

2022年12月02日 10:30 論説・コラム 春・夏・秋・冬

日本は出版物の種類や発行部数では世界一だと言われてきた。だが、興味本位、「売れさえすればよい」式の極端な商業主義に陥り、SNSを含め情報自体の質が著しく劣化していることは周知の事実

春夏秋冬▼健全で、真面目なテーマを扱う図書ほど敬遠され、大した内容もないのに刺激的なタイトルで人目を引き、販売部数を増やそうとする傾向が益々強まっている。例えば、「知ってはいけない…」式の書物は得てして内容が乏しい

▼そういう意味でも現情勢に鑑み是非読者のみなさんに一読を勧めたい本がある。「知ってはいけない隠された日本支配の構造(矢部宏治著)」だ。これは「一般国民が知れば大変なことになる」という意味だ。著者のもう一冊の著書「日本はなぜ、『戦争ができる国』になったのか」とともに、米国の完全な従属下にある日本がいかに危険な位置にあるかを赤裸々にあぶり出したものである

▼前者は、日本の空は、すべて米軍に支配されている、日本の国土は、すべて米軍の治外法権下にある、日本に国境はない、国のトップは「米軍+官僚」である、国家は密約と裏マニュアルで運営する、政府は憲法にしばられない、重要な文書は、最初すべて英語で作成する、自衛隊は米軍の指揮のもとで戦う、米国は「国」ではなく、「国連」である―から成る。

▼著者は、こうした現実を知る政治家や官僚はほとんどおらず、「すべては朝鮮戦争から始まった」と言う。(益)

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