チュチェの原理に基づく社会主義強国建設
2022年11月17日 08:12 政治世界に先駆けた歴史的挑戦
マルクスとエンゲルスの時代に、社会主義理論は空想から科学へと発展した。二人は『共産党宣言』(1848年)で生産手段を社会化することにより、「人間による人間の搾取を撤去し、社会から貧困をなくすとともに、経済の推進力を利潤追求から人間の物質的精神的な生活の発展に求め、すべての人間の自由で全面的な成長・発達を目的とする」思想、運動、社会制度について明らかにした。
マルクス主義は、労働者階級が歴史の舞台に登場し、資本を反対する闘争を繰り広げた時代に生まれた革命学説だ。時代が変わり、歴史が発展した現在の視点から見れば、時代的制約が確認される。
マルクス主義は、唯物史観に基づいて物質的富の生産方式が社会の性格と社会発展の段階を規定する決定的要因であり、社会の発展過程は階級闘争を通じて生産力と生産関係の矛盾が献血され古い生産方式が新たな生産方式に替わる過程と捉えた。
このような原理から出発すれば、社会主義生産方式が確立されることで資本主義から社会主義への社会革命は終わり、共産主義の高い段階と低い段階の違いは生産力の発展水準となる。言い換えれば、社会主義制度が成立すれば、生産力を発展させるだけで人類の理想社会である共産主義を実現することができる。
ところが現実は違った。
20世紀に世界のいたる地域で社会主義国家が成立したが、ソ連と東欧諸国ではマルクス主義の時代的制約性を認識せず、それを教条主義的に適用し、一方ではマルクス主義の革命的真髄を否定しながら修正主義的な政策を行った。その結果、経済建設もうまくいかず、社会のすべての分野が沈滞し、最終的には社会主義が挫折し、資本主義へと回帰した。
社会主義思想を持つ人間と社会主義政権、社会主義経済制度は密接に連関し、ここで基本は、社会主義思想を持つ人間であるというのがチュチェ思想の観点である。
朝鮮では人々の思想意識の水準と文化水準を高め、かれらを革命の主体として育むための人間改造を重視し、社会主義建設の担当者である人民大衆が経済と社会の発展のために役割を果たすための政策を一貫して進めてきた。チュチェ思想を具現してきた朝鮮が、2020年代に入り、これまでの路線の延長線上に社会主義の勝利、共産主義社会の実現をしっかりと見据えているのは偶然ではない。
朝鮮の社会主義強国建設は、今日の時代的鳥類を先に進む世界史的な挑戦だ。
ソ連と東欧社会主義が崩壊したとき、資本主義が「勝利」し、社会主義が「終末」を迎えたと喧伝した西側諸国でも、既存のものではない新たな社会制度、経済システムが模索されている。 2008年に金融大崩壊が起きた米国では、貧富の格差がさらに拡大して社会の分断が進んでおり、2019年に実施されたあるインターネット調査によると、ITの発展とともに成長した「ミレニアル世代(Millennials:1980年代初頭から90年代半ばに生まれた世代)の70%が「社会主義的な政策を訴える候補に投票する」と答えている。
(金志永)