瓊楼洞の入居者たち
2022年09月28日 09:50 論説・コラム 春・夏・秋・冬朝鮮の映画俳優は人々の憎しみや嘲笑を買う悪役として出演したがらない、という話を現地でよく聞く。実際に、悪役を見事に遂行した俳優は、日常に戻ると人々から後ろ指を指され、子どもたちからも冷やかされたりする
▼今年4月、普通江のほとりに完成した瓊楼洞の豪華住宅に入居した住民の中には、朝鮮人民の誰もが知る人民俳優もいる。90年代前半に放映されたテレビ連続ドラマ「ソッケウルの新春」に悪役として出演したパン・ソグンさん(78)。当時兵役中だった2人の息子から、もう悪役は演じないでほしいという手紙を寄せられたこともある。しかしその後も多部作劇映画「民族と運命」で悪役を見事に演じ、さらに有名になった。その間、本人や家族の苦悩は知る由もないが、新居に移り記念写真に収まったパンさんと家族は笑顔にあふれていた