〈本の紹介〉咲くや むくげの花―朝鮮少女の想い継いで/大澤重人


いつか咲く日を信じて

「近くて遠い桜の国に、朝鮮の花のむくげがしっかりと根付き、本当の意味で花を咲かせるのはいつだろうか」。

冨山房インターナショナル。定価=1,980円(税込)。03-3291-2578。

本書は、元毎日新聞記者の著者が30年以上にわたる取材、執筆活動を通して織りあげた渾身の一冊。高知県黒潮町に眠る「朝鮮国女」を切り口に、朝・日の歴史と現代社会の差別問題を見つめ、友好な未来への糸口を探った。

「朝鮮国女」は、16世紀末の豊臣秀吉の朝鮮侵略に伴い、日本に強制連行させられた1人の朝鮮人を指す。上川口村(現在の黒潮町)の豪族であった小谷与十郎によって強制的に連れ去られた少女は、生涯孤独のなか、上川口村で村人たちに機織り技術を広めたとされている。故郷に思いを馳せながら異国の地で生涯を終えたかのじょを祀る「朝鮮国女の墓」が今も黒潮町にある。

著者が名もないこの朝鮮少女に出会ったのは、高知支局に赴任した2008年。少女について取り上げた絵本「むくげの花の少女」の存在を知り、絵本の作者や少女の存在を知る関係者への取材を丹念に行った。同8月には少女と絵本についてまとめた記事を毎日新聞「全国版」に掲載。県内外からの大きな反響を呼んだ。

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