虐殺現場に立ち、歴史と自分をつなぐ/日本市民ら主催のフィールドワーク
2022年09月11日 08:00 交流関東大震災時の朝鮮人虐殺から今年で99年を迎えた。真相究明や被害者への謝罪・賠償はおろか、それと逆行するような歴史否定が跋扈するいま。朝鮮半島にルーツをもつ人々への差別や迫害の事例も後を絶たない。
この動きに抗い、加害を伝え、記憶・記録する取り組みを続ける日本の市民たちがいる。神奈川県では、「関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会」(以下、神奈川実行委)が主催し、今年6月から市民講座が開かれてきた。同講座は、市民たちが、▼国家権力によって隠蔽された朝鮮人虐殺の歴史と真相を知り、▼社会から抹殺された朝鮮人虐殺被害者たちの歴史を回復し、真相を明らかにすること―を目的に企画された。
来年に控える虐殺100年を前に、日本で起きたこのジェノサイドが「軍隊、警察そして民衆が一体となって引き起こしたものだという事実を確認し、いまこそ国家と民衆の責任を明らかにする」ことで、日本人がこの事実にどう向き合い、何をすべきなのかを考えようというものだ。
6月4日に行われた第1回目の講座では、「横浜における朝鮮人虐殺」について考えようと各地から約50人が参加。一行は、神奈川実行委の山本すみ子代表による講演を聞いたのち、震災直後に虐殺現場の一つとなった横浜・中村地区へのフィールドワークを行った。
フィールドワークに先立って行われた講演会で、山本代表は、1923年9月1日の地震直後から神奈川県下で警察がどのように動いたのか、その動向をみていった。
報告によれば、震災当時、横浜には軍隊の常駐がなく、