〈取材ノート〉共通する原動力


昨年、学校創立60周年を迎えた埼玉初中で2月19日、人工芝グラウンドの落成式が行われた。周年事業の一環としてグラウンドの人工芝化を推進してきた同校。この日の落成式には、在校生や教職員のほか一部同胞たちが駆けつけ、約200人が地域コミュニティの慶事を祝った。

近年、各地の朝鮮学校では、国の公的支援がないうえに、地方自治体からの補助金削減・凍結によって困難を極める学校運営の新たな打開策として、グラウンドの人工芝化が推進される傾向にある。東京都教育委によれば、昨年の時点で都内の区立小学校全817校のうち、人工芝グラウンドを採用する区立小は約120校で、全体の14,68%に過ぎないが、同じ都内で比較した場合、約7割に及ぶ朝鮮初級学校(中級部併設校を含む)のグラウンドが人工芝化されている。

これは、全国規模ではまだ少ない人工芝グラウンドを貸し出すことで財政支援に充てる一方、地域住民たちが草の根レベルでつながり、民族教育への認識や理解を促すきっかけにしたいとの関係者らの思いもあり、埼玉でも同様の流れで人工芝化が進められた。

「充実した教育環境をいかにして残すのか、これに尽きる」。プロジェクトを進めた理由について、そう明かした李賢奎実行委員長。先代たちが灯した民族教育の灯を消してはならないというかれの原動力に触れたとき、いまも各地で奮闘する同胞たちの顔が浮かんだ。

(賢)