〈それぞれの四季〉私だから出来る事/尹美奈


気づけば司法書士になって7年目。

合格した当初は「これから同胞社会にとって役に立つ人材になります!」と意気込んでいたのを覚えている。でも正直、司法書士として同胞社会のために何ができるかなんてよくわかっていなかった。

その後はしばらく、ただひたすら目の前の業務をこなし、同胞に直接貢献できるような仕事をするわけでもなく「貢献するって言っていたのに口だけになってる」「自分ってなんだかロボットみたい」と悩む日が多かった。

そんな状況から抜け出すきっかけになったのが、とある同胞からいただいた不動産の相続の相談だった。

「税金もかかっていないような小さな田舎の不動産があるんです。こんなのすぐに名義変更できると思っていたんですよ。それで知り合いの司法書士さんに軽い気持ちで相談したら、韓国籍の方の相続は対応してないんですって断られてしまって…。先生の事務所でなんとか対応していただけませんか?」

もちろん私は迷うことなく依頼を受け、不動産の名義変更を速やかに完了させた。

依頼者の方の安堵した表情と、本当に感謝しているとのお礼の言葉をいただいたとき、「私のやるべき仕事はこれだ」と悟った。

同胞が相続で困ったとき、気兼ねなく相談できる存在になろう。

まだまだ道半ばではあるが、そんな想いを胸に日々の業務に励んでいる。

(兵庫県尼崎市在住、司法書士)