「北の挑発」に関する世論誘導と敵基地攻撃論


朝鮮から見た安保環境は正反対

国会でミサイル試射を行う朝鮮の「意図」について質問を受けた岸田総理は、「北朝鮮は新型コロナの影響や経済制裁で厳しい経済状況に直面していることは十分考えられる」と述べた。

朝鮮が「内部不安」を統制するために「外部挑発」を繰り返すというイメージを定着させる世論誘導術の一種だ。

一方、岸田総理はバイデン大統領とのオンライン首脳会談で北東アジアの安保環境が日本の役割拡大を求めているという論理を展開することで日本の軍備増強に対する支持を得た。

単独では中国を牽制しながら朝鮮とも対峙することが困難で、日本を共同戦線に引き入れなければならない米国と利害関係が一致しているわけだ。

日本の安保戦略は「北朝鮮の脅威」と「米国の支持」を名分にして攻撃戦略へと急速に転換している。

憲法に基づく専守防衛の原則に反して、敵基地攻撃能力すなわち有事の際、相手を遠方から先制的に打撃する手段を持たなければならないという世論がつくられている。

「北朝鮮のミサイル」に対処するとしながら、日米のミサイル防衛システムを構築した当時は、「米国が矛で日本は盾」と説明していた。今では「日本も矛を持つ権利がある」と公然と主張するようになった。

総理の国会答弁のような詭弁術に慣れてしまうと、人々は「北朝鮮のミサイル」が「日本の軍備増強を煽っている」と考え、主客転倒の妄想にとらわれるようになる。

地対地戦術誘導弾通常戦闘部の威力を実証するための試射(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

ところが朝鮮の立場から見た北東アジアの安保環境は正反対の様相を呈している。

矛を振りかざす好戦的な勢力が同盟強化を進めている状況に対処して国家と人民を守り、平和と安全を担保するには強力な盾を構築しなければならない。

朝鮮がミサイル試射を行い、国防力を強化する理由は単純明白だ。

(金志永)

 


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