朝鮮はなぜミサイル試射を公表するのか


戦争抑止力強化の透明性

「戦争抑止」を目的として進められる朝鮮の戦略戦術兵器システムの開発生産には一つの特徴がある。「透明性」である。

各種ミサイルを試射する際にも朝鮮中央通信などの国営メディアを通じて発射場面の映像と兵器の技術的諸元・特性を公開し、その自衛的目的に対しても再三強調してきた。

朝鮮で「飛翔体」が発射されると、関係国では偵察衛星と地上レーダー、イージス艦を動員してその軌道を必死に追跡する。

メディアは当局から提供される断片的な情報に基づき様々な「分析」と「解説」を提示する。

その後、朝鮮のメディア発表を通じて事実が確認される。

このパターンが繰り返されてきた。

国防科学院が行った極超音速ミサイル試射(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

最近は、最先端兵器として中国・ロシア・米国で開発競争が繰り広げられている極超音速ミサイルの試射(5,11日)だけでなく、鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練のような人民軍の通常訓練(14日)、さらには既に生産装備されている戦術誘導弾を選択的にテストし、兵器システムの正確性を検証する検収射撃試験(17日)まで国営通信社の報道を通じて公開された。

14日に行われた鉄道機動ミサイル連隊の検閲射撃訓練(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 

「透明性」は現実的な思考の基礎となる。朝鮮の敵対勢力は長い間、主観と憶測に基づく「北威脅論」、「北挑発説」を煽り、自らの対決政策を合理化してきた。

しかし相手をあるがままに直視し認識することが正しい判断の前提であり、問​​題解決の出発点である。軍事問題における誤った判断は取り返しのつかない災いを招きかねない。

戦術誘導弾検収射撃試験が行われた。(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

朝鮮は戦争を望まないので、それを抑える力の実体を隠さない。それは誰を狙ったり、誰かの関心を引くためのアピールではない。

国防力強化の「透明性」にこだわる理由は簡単明瞭だ。朝鮮はむやみに軍事攻撃を仕掛けてはならない国である、ということを戦争挑発者たちが知るようになれば十分なのだ。

(金志永)