民族を失い、取り戻した研究過程/講演「在日史学のパイオニア 姜徳相の歴史学」
2021年08月19日 14:27 文化・歴史 主要ニュース追悼特別講演「在日史学のパイオニア 姜徳相の歴史学」(主催=1923関東朝鮮人大虐殺を記憶する行動)が8日、オンラインで行われた。講演は、今年6月12日に亡くなった朝鮮史研究者で関東大震災時における朝鮮人虐殺問題研究のパイオニアである姜徳相氏(享年89歳)を追悼する目的で行われ、法政大学の愼蒼宇教授が講師を務めた。(全基一)
時務の歴史学
愼蒼宇教授は、自身と姜徳相氏との出会いや彼の研究の特徴、歴史像について報告を行った。
姜徳相氏と約16年の付き合いがあったという愼教授は、自身が歴史学を学んでいた大学院時代に姜氏の著作を読み、大きな影響を受けたという。2016年から闘病生活を続けていた姜氏は亡くなる直前まで、現在の東アジア情勢と日本国内にはびこる在日外国人へのヘイトの実態を憂い、「その研究欲は健在だった」(愼教授)。