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「風景」をめぐる旅/「続々・私たちの東京朝鮮第3初級学校物語~新校舎建設編」編著者・金淑子さんに聞く

2021年07月08日 13:17 主要ニュース 民族教育

同胞たちの善意、未来への夢

新校舎となり初めての登校日に行われた「帰校式」での一幕。児童らは屋上にある運動場を見た瞬間、歓声をあげ駆け抜けた。

昨年新校舎が竣工した東京第3初級。これと関連し、4月に書籍「続々・私たちの東京朝鮮第3初級学校物語~新校舎建設編(2018-2021年)」が発行された。編著者の故・金日宇さんと金淑子さんは、日宇さんが同校の草創期にまつわる証言収集を開始した2005年頃から、「朝鮮学校を中心にした同胞たちの姿に注目」。以来、情報誌「朝鮮学校のある風景」を通じて各地のウリハッキョの過去・現在・未来を描いてきた。全3部作の完結編の発行となった今回、淑子さんに話を聞いた。(まとめ・韓賢珠)

書籍「続々・私たちの東京朝鮮第3初級学校物語~新校舎建設編(2018-2021年)」が今年4月に発行された。(提供写真)

―日宇さんが母校・東京第3初級のルポを集中して書き留めるようになったのはなぜだと思われるか。

第1巻の証言編、第2巻の体験記録編で日宇さんは、証言を集めるために卒業生や当時の教職員たちを探して周った。当時はインタビューをしてそれをまとめても、いまみたいにメールがない時代。郵送で送っても読んでもらえないこともあるので、もう一度会って、直接読んで聞かせて承認をもらい掲載まで進めた。そこまでしてチェーサムハッキョ(東京第3初級)を扱おうと思ったのは、やはり同校への愛情からだと思う。それによくチェーサムの昔話をしていた。日宇さんが通っていた頃は親たちが生きていくことに必死で、そのなかで子どもたちは子どもたちで、親や周りの大人の後ろ姿が格好良く見えたことだろう。

生の一世の経験がそこに生きていた。それを思うと記録として残さなくてはと考えたはずだ。

―2019年10月に日宇さんが他界して以降、その遺志を継ぎ同年12月からは淑子さんがペンをとった。

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