〈学生支援緊急給付金問題〉日本政府に対し、国連人権理事会が共同書簡
2021年06月23日 08:49 主要ニュース 民族教育給付金からの排除“差別に相当”
昨年5月、コロナ禍で経済的に困窮する学生への支援策として日本政府が創設した「『学びの継続』のための学生支援緊急給付金」(以下「給付金」)。これと関連し、国連人権理事会の特別報告者たちが日本政府に対する共同書簡を今年2月に発表していたことが明らかになった。給付対象からの朝鮮大学校除外や留学生への成績要件など、「給付金」創設当初から批判が相次いでいた問題点について「差別に相当」すると警告した。
この共同書簡は、国連の人権専門家である特別報告者への「通報(Communications)」という特別手続きを行ったことへの対応として茂木敏充外務大臣宛に送付された。今回の「通報」は、昨年5月、「『学生支援緊急給付金』に関し、すべての困窮学生への給付を求める声明」を発表したNGO5団体のうちのひとつである反差別国際運動(IMADR)が昨年6月に行ったもの。「給付金」と関連しては、創設当初から「外国人学生への差別」だという声が、朝大生や留学生など当事者たちからあがっていた。また今回の通報に際し、在日本朝鮮人人権協会もIMADRに対し情報提供を行った。
「人種差別主義、外国人排斥に関連する不寛容」「教育を受ける権利」「移民の人権」「マイノリティ問題」に関する4つのテーマの各特別報告者へ通報し、これに対し連名で書簡が出た形だ。