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〈時事エッセー・沈黙の声 12〉スリランカ人の死が潰した入管法改悪法案/浅野健一

2021年06月20日 09:00 権利 主要ニュース

人権侵害の外国人管理政策

共同通信ジャカルタ支局長だった私は1992年4月、インドネシア入国管理局から記者ビザを奪われ、「4日以内に出国せよ」と通告された。その経緯は拙著「出国命令―インドネシア取材1200日」(日本評論社、1993年、「日本大使館の犯罪」と改題し講談社文庫)に書いているが、国外退去を経験して、入管は国家権力そのものだと知った。入管の決定には不服申し立てができず、国家の側は理由を説明する必要もないのだ。あれから約30年、日本の入管当局がスリランカから来日していた女性を「不法残留者」として拘束し、適切な医療を施さず、死に至らしめる事件があった。入管による事実上の監禁・過失致死事件だ。

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