力をひとつに、鮮やかな未来を/九州青商会の民族教育支援事業「みれふる」
2021年05月05日 10:38 主要ニュース 民族教育「ALL九州ハナロ!」の精神を具現化
九州青商会が新たな民族教育支援事業「みれふる」を企画・推進している。
19年9月に開催された「ウリ民族フォーラム2019in九州」をきっかけに、「ALL九州ハナロ(一つに)!」のスローガンのもと九州7県の同胞社会活性化や民族教育発展のための事業をいっそう力強く展開してきた九州青商会。昨年には福岡県下3校の朝鮮学校へのクーラー寄贈、18回目を迎えたチャリティーゴルフコンペを「ALL九州ミレカップ」として初めて九州5カ所で同時開催するなど、活発な活動を行った。
一方、新型コロナウイルス感染拡大の影響により県下朝鮮学校の財政状況がいっそう切迫する中、九州青商会役員たちは従来の民族教育支援事業を見つめなおし、コロナ禍での新たな支援の形について議論を深めた。
九州青商会の金健昊幹事長によると、これまで朝鮮学校への財政支援で大きな比率を占めていた「ミレカップ」の参加者は一部の層に限られていたため支援の幅も限定だったことが課題としてあがっていたという。また、コロナ禍でさまざまな行事が中止・延期となる中で、一定の行事に依拠する支援事業は大きなリスクを伴うことに対する懸念もあった。
そこで青商会の役員たちは、これまでの活動に加え、行事の開催に左右されずに誰でも手軽に参加できる民族教育支援事業を模索。そうして考案されたのが、今回の「みれふる」だった。
「子どもたちにカラフルな未来を」をテーマに、キャッチ―なネーミングが冠された「みれふる」の特徴は、支援額の上限、下限を設定せず特定口座への振り込みにより誰でも垣根なく支援を行えること、そして支援額(5千円以上)に応じて支援者たちへ「返礼品」が贈られることだ。支援者には宮崎在住の同胞の協力で用意された九州名産のブランド肉が届けられるという。
「『ALL九州ハナロ!』の精神を具現化し、九州の幅広い同胞たちの力を一つに集めて子どもたちの未来を守ろうというのが企画の趣旨だ。ただお金を集めるだけではなく、協力してくれた人たちに『返礼品』という目に見える形で還元をすることで、企画者と支援者が互いに恩恵を享受できる事業になるよう工夫した」(金幹事長)。
「みれふる」は九州地方在住の同胞らを対象に3月末からスタート。大きな反響を呼び、すでに多くの支援が寄せられているという。募集は5月30日まで行われ、集まった支援金はすべて県下の朝鮮学校へ寄付される。
九州青商会では「みれふる」を推進する一方、5月19日に第19回「ALL九州ミレカップ」を昨年に続き九州5カ所で同時開催することを予定している。
九州青商会の金敏寛会長は朝鮮学校を取り巻く状況が依然として厳しい中、「みれふる」事業を通じてコロナ禍における民族教育支援の新たなモデルを示したいとしながら「『ALL九州ハナロ!』の具現化と子どもたちの明るい未来のためにこれからも青商会がしっかりと役割を果たしていく」と力を込めた。
(丁用根)