党第8回大会を考察/太陽節記念日朝友好シンポ
2021年04月14日 14:30 共和国 主要ニュース“正しい認識を共有することから”
金日成主席生誕109周年記念日朝友好シンポジウム(主催=同実行委員会)が10日、東京・文京区民センターで行われた。朝鮮の自主的統一支持日本委員会の日森文尋議長をはじめとする役員ら、各地の日朝友好団体の日本人士、日本のメディア各社、在日同胞ら約120人が参加した。総聯中央の徐忠彦国際統一局長が来賓として参加した。
シンポではまず、故・金丸信元副首相(自民党元副総裁)の子息で秘書を務めた金丸信吾氏が実行委員会を代表してあいさつした。
金丸氏は、日朝関係に関する三党共同宣言から31年、日朝平壌宣言から19年経過したことに触れ、「両宣言には日朝国交正常化の早期実現が明記されているが残念ながら今日にいたってもその実現はなされていない」と指摘。「菅政権も、圧力一辺倒だった安倍政権の路線を踏襲しており、日朝国交正常化は先が見えない」とし、関係改善には何よりも対話が重要だと述べた。
続いて徐忠彦局長が来賓としてあいさつした。徐局長は、実行委員会をはじめ日頃から在日朝鮮人の権利、民族教育の権利擁護に尽力する日本の友人らに謝意を示したうえで、朝鮮労働党第8回大会という時宜を得たテーマで開催される本シンポジウムが朝鮮の最高指導者のビジョン、朝鮮のあるがままの姿を正しく把握する重要な契機となれば幸いだと述べた。
次に、朝鮮対外文化連絡協会から寄せられた連帯メッセージが読み上げられた。「地域社会に平和と安定をもたらし次世代により良い未来を授けるため朝・日両国は不幸な過去を清算し、和解と協力の新たなページを切り拓かなければならない」としながら、朝・日交流と協力関係の発展に努めていく意志を表明した。
シンポでは、埼玉大学の鎌倉孝夫名誉教授の司会の下、朝鮮大学校朝鮮問題研究センターの李柄輝教授と本紙の金志永編集局長がパネリストとして登壇した。
「朝鮮労働党第8回大会決定の論理と朝鮮式社会主義の課題」と題して講演した李柄輝教授は冒頭、朝鮮大学校創立65周年に際して金正恩総書記から祝電が寄せられたことに言及。「朝鮮の最高指導者の朝鮮学校に対する関心は非常に高い。これは日本政府の民族教育に対する圧力に対して朝鮮政府がいかに不満を持っているかの証左でもある。朝鮮側にも主張があり、一方的な視点では朝・日交渉はできない」と指摘した。そのうえで党第8回大会の論理について、▼朝鮮社会主義の現段階▼党大会開催の背景―正面突破戦の推移▼大会決定の論理と課題―の三点から解説した。
「朝鮮労働党第8回大会と変化する朝鮮の対外政治活動」と題して講演した金編集局長は、党第7回大会(2016年)から党第8回大会までの5年間における朝鮮の米、日、南、中などの関係各国に対する対外活動の推移と変化、党第8回大会で示された対外政策の正当性に言及。過去5年間、対朝鮮敵視政策を強化してきた日本については、党第8回大会で党規約序文に海外同胞の権利問題が新たに明記されたことを踏まえ、在日同胞の地位問題について協議するとした朝・日平壌宣言に立脚することが朝鮮に対する最も正当なアプローチだと主張した。
参加者らは両氏による深い考察を通じて、党第8回大会で示された戦略的路線と政策から朝鮮の原則的立場に対する認識を深めた。
(金淑美)