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〈春・夏・秋・冬〉10年の月日と「今」

2021年03月18日 08:00 春・夏・秋・冬

東日本大震災発生から同胞社会もまた10年の月日が流れた

春夏秋冬▼震災から半年、真っ黒に日焼けした友人の姿を今でも思い出す。デスクワーカーの彼が日に焼けていたのは、週末に福島初中に通っていたためだった。子どもたちのために学校を守りたいという一心で除染作業に汗を流したという

▼各地の同胞たちは一丸となって支援活動に乗り出した。被災地から被災地へと手を差し伸べた茨城、阪神淡路大震災の時の恩返しをと物資を満載したトラックを走らせた兵庫… 東北に向けたエールを朝青員たちは歌に、生徒たちは色紙に込めて送った。祖国からは慰問金と同胞愛に満ちた電文が届いた。各地の同胞たちが送ったものは、「今」を生き抜くための糧だったはずだ。しかし、震災から10年の月日が流れてもその「今」は変わらずに生きている。東北の同胞たちが受け取ったものは同胞社会の暖かさであり希望だった。同胞社会もまた被災地で希望を見た。「대지는 흔들려도 웃으며 가자(大地は揺れても笑いながら行こう)」と書かれた横断幕が示すように、想いはひとつだった。「みんなで同胞社会を守っていこう」。東北の当時の卒業生たちは「今度は私たちが同胞社会の支援物資になる」と語っていた

▼今回の取材に際し「誰が同胞社会を守ってきたのか」「どのように守ってきたのか」に光をあてようと試みた。その過程で同胞たちひとりひとりが、同胞社会そのものが強い光を放つ存在なのだと確信するに至った。(丘)

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