山口で朝・日市民らが連帯行動/朝鮮学校への差別是正求め
2021年02月12日 15:02 主要ニュース 民族教育2021年全国行動月間の一環で
「すべての子どもに学ぶ権利を!」朝鮮学校を支援する山口県ネットワーク行動(共催=朝鮮学校を支援する山口県ネットワーク・山口補助金対策委員会)が10日、山口県下関市内で行われ、総聯山口県本部の朴徹委員長、山口初中の呉栄哲校長をはじめとする地域同胞と、山口県ネットワークの内岡貞雄代表をはじめとする日本市民ら約50人が参加した。
この日の行動は、「朝鮮学園を支援する全国ネットワーク」が昨年11月、総会で行動提起として呼び掛けた「全国行動月間」に際し行われた。
下関市民センターで行われた1部・集会で、開会のあいさつをした山口県ネットワーク代表の内岡貞雄さんは、昨年以降、コロナ禍でも継続してネットワークの活動を続けてきたことに言及したうえで「民族教育権を認めさせ、それを保障させること。私たちの取り組みは、過去の植民地支配の清算につながる闘いだと考えている」とその意義を強調した。
また大阪朝高ラグビー部をはじめ、朝鮮学校に通う児童・生徒らの活躍を紹介しながら、その背景に「保護者や同胞の皆さんをはじめ地域コミュニティが子どもたちや学校をしっかりと守っている」ことがあると指摘。今後ネットワークとしても、朝鮮学校のために参画・寄与したいと語った。
つづいて、山口初中オモニ会のメンバーで中級部3年の保護者、李圭子さんと山村千枝さんが発言した。
「高校の話なのでまだまだ先が長いと思っていたが、いまだに対象外の状況が続いている。先の見えない苛立ちや不安は拭えないが、ここに集まった方々のおかげで、強い気持ちになれる」と李圭子さん。
また山村千枝さんは、娘の高校進学にあたり経験したとあるエピソードを紹介した。
「当初は日本の学校も視野に入れており、県庁に問い合わせることがあった。その際の担当者はすごく丁寧に対応してくれたが『娘さんが行っているところは中学校じゃない』と繰り返し言い間違えをされて。電話を切り、涙があふれてしまった。こんな差別をいつまで受けるのか」
山村さんはそう言い言葉を詰まらせながらも「高校無償化もそうだが、このような根底の部分から差別をなくしていかなくては」と、参加者たちへさらなる協力を呼び掛けた。
また集会では、山口初中の徐寿花教員が発言した。
徐教員は、2013年以降、朝・日の市民らが毎年行ってきた県庁前での抗議行動や、各地5ヵ所での高校無償化裁判に言及。「闘いを止めることなく、私たちは間違っていないと引き続き声をあげていく必要がある。すべての権利はそうして勝ち得たものだった」とし「なぜならお金の問題ではなく、私たちの権利の問題だから。あきらめることなく闘うこと、そして教育の質向上のためにも教員として邁進したい」と意気込んだ。
集会では、各地で行われている署名運動の現状を呉栄哲校長が報告したのち、九州無償化弁護団の一員である清田美喜弁護士が講演を行った。
その後、質疑応答とフリートークがあった。
参加者からは、「民族教育は恩恵ではなく義務として政府が保障すべき」「日本の住民なのだから皆同じように権利がある」といった意見があがった。
一方、この日の集会には、山口県の県会議員や市議会議員らも参加。また九州無償化弁護団の金敏寛事務局長、「朝鮮学校を支える会・北九州」の瑞木実さんも駆け付けた。
閉会に先立ち、▼高校無償化実現、▼補助金復活、▼幼保無償化実現、▼学生支援緊急給付金支給を目指し、「各地の仲間たちと共に闘い続ける」とする集会アピールが採択された。
身近に居る人、大切にすることから
2部は場所を移動し、下関駅前で街頭宣伝が行われた。