〈それぞれの四季〉「荷物の中身」/朴美順
2021年02月12日 10:00 コラム 暮らし・活動昨年、抗がん剤治療のために入院しているとFBで明かしたあと、知り合って間もない日本の友人がメールをくださり、いつ退院しますかと訊いてこられた。
彼女はその日に合わせて荷物を送ってくださった。プルーン、ナッツ、蜂蜜、紅茶など体に良いものを選んで詰め合わせ、手紙も添えてくださった。その後も無農薬の米、野菜、全粒粉のパン、こだわりの卵も届いた。欲しい物はありませんか?とメールが来て遠慮は無用ですよと言われる。コチュジャンやキムチはどうですか、とも。
それから何度も荷物が届いた。そんなある日、届いた箱を開けてオリーブオイルやハーブティーを出しながら不意に涙がこぼれた。