医協から「冬休み標準予防対策」/「現状では標準予防対策がワクチン」
2020年12月29日 18:48 主要ニュース新型コロナウイルスの感染が拡大している。これと関連し「医協看護部会便り・臨時号(警告)」として医協から「冬休み標準予防対策」が緊急配信された。
医協東日本本部看護部会長の李英子さんは「新学期笑顔で迎えるためにも標準予防対策をしっかと、効果的に根気強く行うことが大切」としながら「今もっとも懸念されていることは家庭内感染です。続々と起こると収拾がつかなくなります。これをなんとしても防ぎたい」と呼びかけている。
標準予防策とは、感染症の有無にかかわらず、あるいはいかなる病態であるかに関わらず適用される感染対策である。医療の現場では患者と医療従事者双方における医療関連感染の危険性を減少させるために標準的に講じられる。
今、求められる標準予防対策は以下の通りだ。
①手洗い②マスクの正しい着用③咳エチケット④「3密」の回避⑤換気⑥消毒・除菌⑦体の抵抗を高める―の7つで、「冬休み標準予防対策」では、手洗いは感染予防の要となることから、その正しいやり方を紹介しているほか、マスクと咳エチケットの必要性についても具体的に解説している。
また、飲食時に感染リスクが増大することや、帰省時には飲食を避けあいさつに専念することが望ましいといった感染対策に対する行動が求められた。
そして今、最もやらなければならないことは「家族会議」だと指摘。家庭内で感染者が出たことを想定し、新型コロナウイルス感染症を受ける病院はどこのあるのか、誰に助けを求めるのかなどを家庭内で決めておく必要があると強調した。
李英子さんは、自分は大丈夫といった自己中心的な行動はますますコロナウイルスをはびこらせる結果になり、仮にコロナウイルスの感染症が治っても後遺症の症状が残り苦しんでいる人が多くいると警鐘を鳴らし「ワクチンや特効薬がない現状ではこの標準予防対策がワクチンの代わりと言っても過言ではない」と強く訴えた。
(鄭尚丘)