〈関東大震災97周年追悼式典〉千葉・八千代市高津山観音寺
2020年09月08日 10:21 主要ニュース次につながる貴重な場
関東大震災97周年慰霊祭(共催=高津山観音寺・高津区特別委員会、千葉県における関東大震災と朝鮮人犠牲者追悼・調査実行委員会〈実行委〉、協賛=萱田山長福寺)が6日、高津山観音寺で行われた。38回目を迎える今年の慰霊祭は、新型コロナウイルスの影響で関係者のみの開催となり、15人ほどの参加者が集まった。
観音寺境内には、観音寺、高津区特別委員会、実行委の協力によって建てられた「関東大震災朝鮮人犠牲者慰霊の碑」(1999年9月5日建立)があり、その下には、同地域で犠牲となった同胞の遺骨6体が安置されている。また慰霊碑の近くには、85年9月1日に「関東大震災韓国人犠牲者慰霊の鐘を送る会」から寄贈された「普化鐘楼」、「慰霊詩塔」もある。
慰霊祭では、高津区特別委員会の岩井克夫代表が開式の鐘を鳴らし、実行委事務局の渡辺明さんが開会宣言を行った。
吉川清代表はあいさつで、慰霊碑が建立されて以降、学習会や企画展示、朗読会などさまざまな取り組みを行ってきたことに言及。一方で、2017年以降、小池百合子都知事が東京・横網町公園で行われる「9・1朝鮮人犠牲者追悼式典」への追悼文送付を拒否する事例などをあげ、国や自治体が率先して歴史的事実を否定している現状について指摘した。
吉川代表は最後に、これからも支援の輪を広げていくと話した。
続いて、実行委の洪世峨さんが献花を行い、高津山観音寺住職、萱田山長福寺住職が読経を行った。
慰霊祭に参加した平形慎吾さん(83)は「今年はやむを得ず小さな規模での慰霊祭だったが、無事に開催することができてよかった。次につながる貴重な場になったと思う。これからも歴史を記憶し、若い世代に継承していきたい」と話した。
慰霊祭の閉会後、実行委のメンバーらはバスで菅田長福寺の「至心供養塔」、中台墓地の「無縁供養塔」を巡拝した。
(金紗栄)