〈だれもがいきいきと生きられる社会のために 8〉「女らしさ」「男らしさ」とDV
2020年08月28日 09:00 主要ニュース 文化・歴史前回は、職場でお茶くみやコップ洗いをさせられたり、女のくせに勉強してどうする、早く嫁に行けと言われたり、「女みたい」と言われたりした在日朝鮮人のセクシュアル・ハラスメント(セクハラ)被害経験をご紹介し、セクハラ=性に基づくハラスメントとは何かについて確認しました。
また、これらの事例は「女らしさ」「男らしさ」と表現される、性別に基づく固定観念を本人の意志や希望を無視したまま相手に押しつけており、結果的に相手に対して何らかの害悪を与えているためにセクハラになっていること、そして「女らしさ」「男らしさ」という固定観念は「女性」「男性」に本質的に備わっているものではなく、人間によって社会的・文化的に作り出されたもの(ジェンダー)であり、「自分らしさ」「その人らしさ」を尊重することがハラスメントのない社会づくりに不可欠であることを述べました。
さて、性別に基づく固定観念がセクハラの原因になり得るのだとすれば、上記のようなセクハラをしない人になるためには「女性/男性だから○○すべき」という考え(以下、ジェンダー規範)を取り払う必要があるといえます。またジェンダー規範は、セクハラの他にも様々な性的な加害/被害を引き起こしてしまう危険性もあります。今回はそのうちの一つであるドメスティック・バイオレンス(DV)について考えてみたいと思います。