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<関東大震災追悼式典問題>排外主義後押しする都の「誓約書」

2020年07月17日 11:51 主要ニュース 歴史

歴史修正の動きに対抗を

1923年関東大震災時に流言飛語により虐殺された朝鮮人を悼む目的で、民間団体が毎年9月1日に行ってきた「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」(東京・墨田区)の開催に懸念が広がっている。小池都政は、17年以降、歴代の都知事が行ってきた式典への追悼文送付を取りやめ、昨年末には式典会場である公園使用について、いくつかの条件を提示し、「誓約書」の提出を求めた。関係団体からは「誓約書」要求の不当性を訴える抗議声明が発表されている。

不当な都の対応

東京都墨田区の横網町公園は、1930年、関東大震災の死者を悼むために造られた。73年には、当時の都議会全会派の幹事長らを含む文化人や宗教者などの建立実行委が、公園内に「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」を建立。以後、毎年9月1日、40年以上にわたり、碑の前で日朝協会東京都連合会などの追悼式典実行委が式典を行ってきた。

しかし、昨年12月24日、東京都は実行委に対して、公園の使用許可申請にあたって、いくつかの条件を提示し、それらを守ることを誓う「誓約書」の提出を要求。そこには、条件を守らない場合は、式典が「中止」されたり「不許可」になったとしても「異存ありません」との誓約が含まれている。

都の「誓約書」要求の背景には17年以降、9月1日の同時刻に、横網町公園内で集会を開いている排外主義団体「そよ風」の存在がある。同団体は昨年の追悼式典に合わせ、「朝鮮人が震災に乗じて略奪、暴行、強姦などを頻発させ、軍隊の武器庫を襲撃し、日本人が虐殺された。犯人は不逞朝鮮人、朝鮮人コリアンだった」などという虚偽に基づいたヘイトスピーチを大音量で流すなど、妨害行為を働いた。

都は、両者の間での「トラブル」を回避するために、両団体に公園の使用許可申請の際の「誓約書」を求めたと明かしている。

東京都墨田区の横網町公園内に設置された「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑」(写真はいずれも加藤直樹さん提供)

『九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響』(14年、ころから)、『TRICK トリック 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』(19年、ころから)などの著者で、関東大震災時の朝鮮人虐殺問題を追うノンフィクション作家の加藤直樹さんは、今回の都の対応について、「ヘイトクライムの犠牲者を加害者のように貶める『そよ風』の集会と、朝鮮人犠牲者追悼式典を同列に並べ規制しようとする不当性、『トラブル回避』『公平』の名のもとに両方を『不許可』とする判断につながりかねない危険性をはらんでいる」と指摘する。

「そよ風」は、これまで「我々の当面の目標は、来年からは彼我両方の慰霊祭が許可されないこと」(18年8月『そよ風』関係者ブログ)などと主張してきた。

加藤さんは、「『そよ風』の目的からすれば、

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