前回から7万票増に「恐ろしさ感じる」/都知事選で「在特会」元会長が18万票
2020年07月17日 14:22 主要ニュース 権利7月5日投開票の東京都知事選挙。結果は現職の小池百合子氏が約366万票を獲得し、2期連続の当選となったが、差別団体「在特会」元会長の桜井誠氏(48)が17万8784票を獲得して22人中5位となった。数年前には「朝鮮人を皆殺しにしろ」と叫んでいた桜井氏が得票を伸ばした理由は。
2009年の京都第一初級襲撃事件では会の幹部が有罪判決も受けた「在日特権を許さない市民の会」(「在特会」)。今回の都知事選に出馬した桜井誠氏はその元会長で、現在は排外主義政治団体の「日本第一党」の党首を務める。「日本第一党」は「朝鮮総連を解散」「朝鮮学校への補助金支給に断固反対」や、「外国人に対する生活保護を廃止」「外国人の国民健康保険への加入を制限」など、排外主義的な政策を掲げている。
桜井氏自身、2010年頃には新大久保のコリアンタウン付近で「朝鮮人を皆殺しにしろ」「コリアンタウンを焼き尽くせ」などと叫びながら商店街を練り歩くなど、民族虐殺を煽る発言やヘイトスピーチを繰り返し行っていた。
また、桜井氏が会長を務めていた「在特会」の元幹部で、現在は日本第一党の関西統括本部長兼京都本部長を務める西村斎氏は、朝鮮学校に対する差別街宣で侮辱罪、威力業務妨害罪で11年に有罪判決を受け服役。その後17年にも同様の行為を繰り返し昨年11月に京都地裁が有罪を認めている(現在は控訴中)。
また、同党の他のメンバーも2019年、九州中高の最寄り駅であるJR折尾駅(北九州市)で登校中の朝鮮学校生徒たちに「朝鮮人はさっさと国に帰れ」などとヘイトスピーチを行うなど、日本第一党は差別・排外主義的主張やヘイトスピーチを常習的、確信犯的に行っている。
桜井氏はこのような排外主義団体の党首であるにも関わらず、前回(2016年)の都知事選にも出馬し、約11万票を獲得。また、今回の選挙の投票率は前回(約59.73%)から4%以上、下回ったにも関わらず、桜井氏の得票数は約6万票増加した。なぜか。