「我々が米国に送る答えは明白だ」/朝米首脳会談2周年に際し、朝鮮外相が談話
2020年06月12日 11:55 共和国 主要ニュース李善権外相はシンガポール朝米首脳会談から2周年に際して、談話を発表した。全文は次のとおり。
歴史的な6.12朝米首脳会談があったときから2週目の年輪が刻まれた。
732日という短くない日々と共に流れてきた朝米関係について世界は何を目撃し、歴史はいかなる教訓を残したのか。明白なことは、2年前、この地球の脚光を集め、大きく膨れ上がっていた朝米関係改善に対する希望は、今日、悪化上昇という絶望に変わり、朝鮮半島の平和繁栄に対する一縷の楽観さえも悲観的悪夢の中に朽ち果ててしまった。
地球上で最も敵対的な朝米関係に永遠の終止符を打ち、平和と繁栄の新たな協力の時代を切り開こうという朝米両国人民の念願は以前と変わっていないが、朝鮮半島情勢は日に日に悪化の一路を辿っている。
去る2年間の朝米関係がそれを反証している。
我々の最高指導部が取った北部核試験場の完全廃棄、数十体の米軍遺骨送還、抑留されていた米国国籍の重罪人達に対する特赦実施は言うまでもなく、世紀的決断となる意味ある措置であった。
特に、我々は朝米間の信頼構築のために核実験と大陸間弾道ロケット試験発射中止措置を先制的に取っている戦略的大英断も下した。それならば、我々が取ったこの特段の措置に対してはっきりと深い謝意を示した米国が、合意の一方として去る2年間、いったい何をしたのかに注目しなければならない。
「ミサイル試験がなく、米軍遺骨が帰ってきた」、「抑留されていた人質も連れて来た」米合衆国を代表するホワイトハウスの主人が、いつも自慢の種としてくどくどと繰り返していた言葉だ。
口先では我々との関係改善を標榜しながら、実際には情勢激化にだけ狂奔してきた米国により、現在、朝鮮半島は朝米双方が合意した恒久的で堅固な平和保障とは正反対へ、核戦争の幽霊が恒常的に徘徊する世界最大の熱点地域と化した。
昔も今も米国の核先制攻撃リストに共和国があげられており、米国が保有している各種核打撃手段が我々を直接狙っているのが、今日の現実である。
南朝鮮地域上空に時を構わず飛んできて、核打撃訓練をしている核戦略爆撃機とその周辺海上で群れをなして動き回っている航空母艦打撃集団は、その代表的実体である。
米国は、南朝鮮郡を攻撃型の軍隊に転換させるために、数百億ドル規模のステルス戦闘機と無人偵察機のような現代的な尖端装備を大々的に売りつけており、南朝鮮当局はこれに天文学的な資金を使っている。
米行政府は、千万不当で時代錯誤的な行為で一貫した2年間を通して、彼らが騒いでいた朝米間の「関係改善」は制度的屈服であり、「安全保証」は徹底した核先制打撃であり、「信頼構築」は変わらぬ対朝鮮孤立圧殺を意味することを隠すことなく示した。
諸般の事実は、長き70年続いてきた米国の根深い対朝鮮敵対視政策が根源的に終息されない限り、米国はこれからも我々の国家、我々の制度、我々人民に対する長期的脅威として残ることになるということを再び明白に実証している。
現時点でこうした疑問点が生まれる。
我々の最高指導部と米国大統領との親交関係が維持されているからといって、実際に朝米関係が良くなったことは一つもないのに、シンガポールで握った手を継続して握っている必要があるのかと言うことだ。今までの現政権の行跡を振り返ってみると、それは政治的業績稼ぎ以上の何ものでもない。我々は、再びいかなる対価もなく米国執権者に業績宣伝材料という贈り物を投げてやることはない。
実体がない約束よりも偽善的なものはない。
我々の最高指導部は、歴史的な党中央軍事委員会第7期第4回拡大会議で、造成された対内外情勢に合った国家核発展戦略を討議し、米国の長期的な核戦争脅威に対処するために国の核戦争抑止力をさらに強化することを厳粛に明らかにした。
ポンペオをはじめとした米国の政治家達は、口を開けば米国の変わらぬ目標は朝鮮半島非核化だとほざいている。我が共和国の変わらぬ戦略的目標は、米国の長期的な軍事的脅威を管理するためのより確実な力を育てることである。これが、6.12の2周年を迎え我々が米国に送る答えである。
チュチェ109(2020)年6月12日平壌
(朝鮮新報)