〈取材ノート〉近づく「心の距離」
2020年05月20日 12:16 コラム新型コロナの感染拡大により、感染予防のためのソーシャルディスタンスの遵守や「密」を避けた行動が社会に浸透。「集まること」が禁止され、総聯運動や同胞らの活動にも大きな支障をきたしている。
そんな中でも各地同胞社会では「こんなときだからできること」を模索し、趣向を凝らした支援活動を活発に行っている。
埼玉では総聯本部が製作した「同胞訪問セット」を携え、4月中旬から支部や分会の役員らを中心に同胞宅を訪問。中部支部では1カ月余りのうちにも430軒以上の同胞宅を訪ね、心のこもったメッセージとともに女性同盟手作りのマスクや地域情報誌などを届けた。
宮城では県青商会と朝青本部を中心に「ピビンパプロジェクト」をスタートし、外出自粛要請により困難な状況にある同胞飲食店と地域同胞、東北初中の子どもたちをおいしい料理と「情」つないでいる。
仙台市の焼肉店を営む同胞商工人は「どんなに苦しくても、自分には気にかけてくれる組織や同胞社会があるという大きな安心感、力をもらった」としきりに感謝の言葉を述べた。
「コロナ禍」は同胞から多くのものを奪った。一方、同胞社会の密接なつながりを一層強め、同胞たちの「心の距離」をより近づけている。(根)