〈ウリマルの泉(우리 말의 샘) 2〉豚とお坊さん(돼지와 스님)
2020年05月28日 14:45 主要ニュース 歴史幼い頃を思い出すたびに頭に浮かぶことばがテージ(돼지・豚)だ。普通、3歳頃までの記憶はあまりない。私も京都府宇治市の砂利採取場の飯場で産声をあげた後、父母と2歳半頃まで過ごした新潟の魚沼や、群馬県でのことはまったく記憶にない。でもその後、京都に戻って出会ったテージのことは今もはっきり覚えている。
当時、鴨川の堤防と高瀬川に挟まれた朝鮮人部落(京都市南区松ノ木町)には多くのバラック建ての長屋があった。私たち家族は、鴨川を背にした一番左端の長屋の左から二軒目の家に住んでいた。裏手の高瀬川沿いに豚小屋と餌小屋があった。いつも豚小屋の臭いがする中、かん高い豚の鳴き声を耳にしながら育った。