結論ありきの補助金除外か/埼玉県の補助金不交付プロセス「文書ない」
2020年04月10日 11:09 主要ニュース 民族教育2010年から埼玉初中に対する補助金を停止している埼玉県が、予算不計上に至る意思決定プロセスを近年、文書として残していないことが分かった。そのため今年度を含め現在、埼玉初中に対する県の補助金がなぜ不計上となっているか、理由が分かる公文書は存在しないことになる。
本紙は埼玉県に対し、2月26日に2020年度における同校に対する補助金を予算不計上とした「意思決定過程に関する全ての文書」の開示請求を行ったが、県が開示したのは令和2年度予算見積調書(私立学校運営費補助)のみで、同校の補助金に関し記述があったのは、添付文書の「朝鮮学校分は計上しない」とした一文だけだった。18、19年度も同様だった。
これに対し文書を作成した県の学事課は、同文書が検討プロセスであるとし、同校に対する予算不計上については「10年くらい続いているため、毎回公文書を作らなくても知事を含めみんな共通の理解があるので、書類は作っていない」と述べた。また、上記の予算見積書を以って県知事に説明し、ヒアリングを行っているとしながら、「(議論に関する)文書は残っていない」とも説明した。