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〈新型コロナウイルス〉“生命安全が最優先”、徹底的な防疫措置/朝鮮の感染防止策

2020年03月06日 13:11 主要ニュース 共和国

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、朝鮮では「人民の生命安全を守ることは党と国家の最優先課題」(労働新聞2月1日付社説)との観点の下、防疫活動が活発に行われている。3月6日時点で、国内の感染者は確認されていない。朝鮮ではウイルスの発生が発表された初期から、「ウイルスが朝鮮領内に入らないようその経路を完全に遮断する」(同日付社説)ことを最も効果的な感染防止策と定め、国家的な非常防疫システムの下、対応を行っている。

対策の経緯

新型コロナウイルスの感染状況が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC:Public Health Emergency of International Concern)に該当するとしたWHOの発表(1月30日)に先立ち、朝鮮では、同月24日の時点で、国家の緊急処置に基づき、衛生防疫システムを国家非常防疫システムに転換した。中央と地方に非常防疫指揮部を設置し、防疫活動を統一的に実施している。

保健省では、ウイルスが朝鮮国内に侵入するのを防ぐための防疫対策を講じている。防疫所では、赤外線体温測定装置などの設備を利用した検査・検疫を厳格に行っている。

新型コロナウイルス対策のための検査・検疫を厳格に行っている(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

市民たちの健康状況の把握もくまなく行われている。各地の戸別担当医師らは、担当の住民地区を巡回し、熱がある患者と治療の効果が現れない肺炎患者を探し出し、診断を確定すると同時に、感染の疑いがある人を発見した場合は防疫機関との連携の下、隔離措置を先行させている。

2月には最高人民会議常任委員会で緊急採択された決定に沿って、朝鮮領内の隔離期間が暫定的に30日間に延長された。3月1日の時点で、6920余人が医学的な監視対象であることがわかった。

同月、金正恩委員長の指導の下、朝鮮労働党中央委員会政治局拡大会議(2月29日発朝鮮中央通信)が行われ、ウイルスを防ぐための超特急防疫措置を講じ、厳格に実施する問題が討議された。国家的な非常防疫に関する法を修正・補完し、国家危機管理規定を再整備することが緊急課題として挙げられた。

民主朝鮮5日付は、「伝染病予防法」と関連した法規解説の記事中で、「伝染病予防機関と該当機関は伝染病患者を6時間以内に、伝染病と疑われる患者は24時間以内に専門病院もしくは隔離病棟に隔離させなければならない」と感染防止に関する指針を紹介している。

外国からの侵入に警戒

国外からの入国者に対する検査も徹底的に行われている。1月13日以降、他国からの入国者を全国レベルで把握すると同時に、医学的監視対策を講じている。また、海外、国境地帯への出張、旅行を極力制限し、入国者との接触も完全に遮断。国際列車・国際航路の運行と観光事業を中断しており、一連の措置は国家非常防疫システムが解除されるまで継続される。

世界保健機構(WHO)平壌事務所所長は、朝鮮保健省からの報告として昨年12月30日から2月9日まで朝鮮に入国した7218人の観光客中、141人に発熱があったが、ウイルスの検査結果は陰性であったことを明かしている。

6日発朝鮮中央通信によると、朝鮮でウイルス対策として隔離され、厳密な医学的監視を受けていた外国人約380人のうち、221人の隔離が解除された。

施設・学校を休みに

国土環境保護管理局では、ウイルスの伝播経路を徹底的に遮断するため、主要河川における水質調査を実施した。pH、酸化度、溶存酸素濃度と浮遊物質、アンモニア性窒素量が国家環境保護基準を超過してないことが確認された。国境地域や主要港に位置する輸出入品検査検疫所では、国内に入る物資に対する検査・検疫を徹底している。

また、馬息嶺スキー場(江原道)、陽徳温泉文化休養地(平安南道)のスキー場など、レジャー施設の運営も暫定的に停止され、各教育・保育機関で学生たちの休みが延長された。託児所の運営が臨時的に中断されたことと関連して、国内では子どもを抱える女性労働者の出勤を免除する措置も取られている。

感染防止グッズ開発

感染防止に効果的な国産の防護服やマスク、除菌用グッズも続々と開発されている。

平壌市などでマスクの着用が義務化される中、保健省医療器具工業管理局の医療器具研究所では、殺菌効果が高く、呼吸器系統の疾病治療に役立つマスクを開発した。また、平壌化粧品工場で開発した機能性消毒石鹸が、一般の石鹸より殺菌力が高いことから、人気を博している。

3日発朝鮮中央通信は、細菌やウイルスのみならず、毒害物の侵入までも防ぐことができる2重用途の保護服が大量生産され、防疫活動を展開する上で役立っていると伝えている。

(朝鮮新報)

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